ストレスに負けない食生活とは?
2021/3/25
ちまたでよく聞く「活性酸素」や「酸化ストレス」という言葉。なんとなく体に良くないのでは…? そんなイメージがあるのではないでしょうか。実際に、活性酸素が起こす酸化ストレスは、老化、がん、生活習慣病など、さまざまな疾患との関連が注目されています。そんななか、アンチエイジングの意識の広まりから、この酸化を抑える「抗酸化力」を高める食べ物への期待が高まっているんです。

活性酸素とは? 酸化ストレスって体に良くないの?
ヒトが生きるうえで酸素が必要なことは常識ですよね。その一部が活性酸素になることはご存知でしょうか? 呼吸によって体内に取り込まれた酸素のうち数%は、通常の状態よりも活性化された活性酸素に変化すると考えられています。そんな活性酸素は、体内において、細胞内の情報伝達として機能したり、細菌やウイルスなどの外敵をやっつける免疫機構としてはたらいたりします。しかし、活性酸素が過剰になると、正常な細胞や遺伝子も攻撃し、ダメージを与えてしまいます。これを酸化ストレスとも呼びます。
つまり、活性酸素によって細胞や遺伝子が酸化され、「体がサビつく」ということです。 活性酸素が大量に産生されると、疲労蓄積・疾病・老化・免疫機能の低下などの悪い影響を及ぼします。こうした体のサビつき(酸化)を抑える力が抗酸化力。実は、私たちの体には、活性酸素から身を守る抗酸化防御機構がもともと備わっていて、活性酸素のはたらきを抑制したり、生じたダメージの修復・再生を促したりするはたらきをもっています。
酸化ストレスを起こす原因は?
酸化ストレスを起こす原因としては、以下のものがあげられます。
- ・紫外線
- ・放射線
- ・大気汚染
- ・タバコ
- ・ストレス
- ・激しい運動
また、ヒトは年齢を重ねるにつれて抗酸化力が弱まり、抗酸化力のバランスが崩れると、酸化ストレスがあらゆるところに及んできます。体調を崩しやすくなった、肌荒れやシミ・シワなどが目立つようになった、疲れがなかなか取れないといった症状が増えてきたら、もしかしたら酸化ストレスが原因かも・・・?

食生活を見直そう! 抗酸化力を高める食べ物って?
抗酸化力を高める抗酸化成分は、活性酸素を捕まえて活性酸素のもつ酸化力を失わせる成分のことで、細胞のダメージを予防したり遅らせたりする性質があります。野菜や果物の多い食事は抗酸化成分の宝庫であり、健康に良いということがわかっています。
食べ物には、活性酸素のはたらきを抑えるさまざまな抗酸化成分が含まれています。たとえば柑橘系果物や緑黄色野菜などに多く含まれるビタミンCや、ナッツ類、大豆などに多いビタミンEには、細胞の酸化を防ぐはたらきがあるといわれています。
そのほかの抗酸化成分と、それが多く含まれる代表的な食べ物は、以下のようなものがあげられます。
アスタキサンチン![]() サーモン、エビ、カニ |
β-カロテン![]() 緑黄色野菜、海藻類 |
リコピン![]() トマト、スイカ |
ポリフェノール![]() 赤ワイン、ブルーベリー |
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アントシアニン![]() ブドウ、赤シソ |
カテキン![]() 緑茶 |
フィコシアニン![]() スピルリナ |
クロロフィル![]() ほうれん草、クロレラ |
ひとつ気をつけなければいけないのが、こうした抗酸化成分を含んだ食べ物を、ただやみくもに多く摂れば効果がアップするわけではないということです。酸化ストレスは、活性酸素と抗酸化力とのバランスが崩れることから起こるとされていますので、このバランスがとれた状態を維持することが大切です。
それぞれの抗酸化成分は性質や作用が違います。そのため、できるだけ多くの種類をバランス良く摂取することがポイントになります。
また、適度な運動習慣や、十分な睡眠も、抗酸化力を高めるためには重要ですのであわせて意識していきましょう。
生活習慣のポイントのひとつとして、抗酸化成分を含んだ食べ物を日頃の食事に取り入れながら、ストレスに負けないよう、ケアを上手に行っていきましょう。
