元気のための「食」習慣!豊かで健康的な食べ方へ
2020/07/01
正しい食生活は健康の基本。そうはいっても何かと忙しい現代人、それを完全に実践するのはなかなか難しいものです。食生活の乱れに身に覚えのある方は、今すぐ食生活の見直しをしてみませんか?
3つの悪い「食」習慣
朝食を食べずに出かけたり、仕事に追われてつい昼食を食べそびれたりと、一日のうちで一食を抜いてしまう人も多いのではないでしょうか。食事の回数が減ると、一日に必要な栄養を満たすことが難しくなり、栄養バランスがくずれてしまいます。
また、朝食をしっかり食べていないと、昼食や夕食のときに「まとめ食い」しがち。こうした食べ方は、胃腸に負担をかけるだけでなく、過食によるカロリーオーバーをまねきます。さらに、残業で夕食の時間がずれて、帰宅後の就寝直前の食事になると、朝になって胃がもたれて朝食が食べられない、といった悪循環に陥ることもあります。
このように、欠食、まとめ食い、不規則といった食生活における3つの悪習慣は、健康を維持するうえでも良いことではありません。忙しい毎日を健康に過ごしていけるのは、正しい「食」習慣があってこそなのです。
世代によって異なる「食」行動
ライフスタイルだけでなく、家族のあり方の多様化、外食産業の市場拡大など、食生活を取り巻く社会環境も大きく変わってきました。このように「食」行動が多様化するなか、加工食品、レトルト食品、栄養機能食品、特定保健用食品(トクホ)といった食生活に利用される食品もさまざまな形になってきています。
ライフステージによっても「食」行動は変わり、栄養素の摂取状態も違ってきます。とくに20〜30代で、朝食を抜いたり、栄養が偏ったりする問題点があげられています。エネルギーやたんぱく質などの摂取量とともに、魚、豆、乳製品、野菜、果実といった食品群の摂取量も、60代に比べ、若年世代では少ない状況にあるといわれます。
また、高齢者については、買い物や料理が不便になるという状況もあります。食事に対する意識は高いものの、単独世帯の割合が増えて食事を作らなかったり、加齢によって食が細くなったりすることなどから、栄養不足に陥りやすくなります。
野菜不足が気になるとき、食生活が不規則になっているとき、栄養バランスが気になるときなどに栄養素を補えるサプリメントなどの活用が望まれます。
食生活を見直すきっかけになる指針
国民に毎日の食生活そのものを見直すきっかけにしてほしいと、文部科学省、厚生労働省、農林水産省が連携して作ったのが10項目の「食生活指針」です。食生活全体を視野に入れて作成されています。バランスのとれた食事内容を中心とし、実践することが具体的に書かれています。家族や仲間と話し合いながら、「食生活指針」に取り組んでみませんか。
「食生活指針」
- 食事を楽しみましょう。
・毎日の食事で、健康寿命をのばしましょう。
・おいしい食事を、味わいながらゆっくりよく噛んで食べましょう。
・家族の団らんや人との交流を大切に、また、食事づくりに参加しましょう。 - 1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
・朝食で、いきいきした1日を始めましょう。
・夜食や間食はとり過ぎないようにしましょう。
・飲酒はほどほどにしましょう。 - 適度な運動とバランスの良い食事で、適正体重の維持を。
・普段から体重を測り、食事量に気をつけましょう。
・普段から意識して身体を動かすようにしましょう。
・無理な減量はやめましょう。
・特に若年女性のやせ、高齢者の低栄養にも気をつけましょう。 - 主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
・多様な食品を組み合わせましょう。
・調理方法が偏らないようにしましょう。
・手作りと外食や加工食品・調理食品を上手に組み合わせましょう。 - ごはんなどの穀類をしっかりと。
・穀類を毎食とって、糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。
・日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう。 - 野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
・たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。
・牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで、カルシウムを十分にとりましょう。 - 食塩は控えめに、脂肪は質と量を考えて。
・食塩の多い食品や料理を控えめにしましょう。食塩摂取量の目標値は、男性で1日8g未満、女性で7g未満とされています。
・動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。
・栄養成分表示を見て、食品や外食を選ぶ習慣を身につけましょう。 - 日本の食文化や地域の産物を活かし、郷土の味の継承を。
・「和食」をはじめとした日本の食文化を大切にして、日々の食生活に活かしましょう。
・地域の産物や旬の素材を使うとともに、行事食を取り入れながら、自然の恵みや四季の変化を楽しみましょう。
・食材に関する知識や調理技術を身につけましょう。
・地域や家庭で受け継がれてきた料理や作法を伝えていきましょう。 - 食料資源を大切に、無駄や廃棄の少ない食生活を。
・まだ食べられるのに廃棄されている食品ロスを減らしましょう。
・調理や保存を上手にして、食べ残しのない適量を心がけましょう。
・賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう。 - 「食」に関する理解を深め、食生活を見直してみましょう。
・子供のころから、食生活を大切にしましょう。
・家庭や学校、地域で、食品の安全性を含めた「食」に関する知識や理解を深め、望ましい習慣を身につけましょう。
・家族や仲間と、食生活を考えたり、話し合ったりしてみましょう。
・自分たちの健康目標をつくり、よりよい食生活を目指しましょう。
『食生活指針の解説要領』より
(平成28年6月一部改定)