ビタミンDと免疫の関係

 2021/06/25

紫外線といえば、「シミやソバカスの原因になる美肌の敵」「皮膚がんの原因のひとつ」といったイメージをもつ方がいますが、実は生物にとって重要な役割ももっています。実際に、日光を避け、紫外線を浴びる機会が極端に減ると、体にさまざまな不具合が起こる危険性があるのです。それを防ぐために知っておきたいのがビタミンD。一体、どんな栄養素なのでしょうか。

ビタミンDと免疫の関係

ビタミンDとは?

ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一種。カルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にしたり、免疫システムにかかわったりします。必須栄養素で、食品から摂取するほか、ほかのビタミンと異なり日光を浴びることにより体内でも生成されます。ビタミンDを含む食品はそれほど多くはなく、キノコ類や魚肉および魚類の肝臓などに含まれます。ビタミンD源となる食品の例は、以下のとおりです。

・キクラゲ
・シイタケ
・マッシュルーム
・ニジマス
・サケ
・イワシ
・タラ肝油
・アンコウ肝
・鶏卵

ビタミンDとは?

ビタミンDは脂溶性なので、油とともに摂取するのがポイント。キノコ類や鶏卵は、油で炒めたり、オイルを使ったソースをかけたりしましょう。ビタミンDを積極的に摂る食生活を心がけると同時に、もうひとつ欠かせないのが、日光を浴びること。季節や居住エリア、年齢にもよりますが、厚生労働省によると、一部の研究者からは少なくとも週2回、午前10時から午後4時までの間に、日焼け止めなしで顔、腕、手、足に5分~30分程度の日光浴を意識して行うとよいといわれています。

不足するとどうなるの?

ビタミンDは、腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、骨の成長や再生に大きくかかわります。そのため、ビタミンDが不足すると骨軟化症や、骨の発育不良、骨粗鬆症を起こしやすくなります。骨軟化症は、子どもが患者の場合、ビタミンD依存性くる病とも呼ばれ、日本でも戦前や戦後間もない、栄養状態の悪い頃に多く発生していました。しかし、決して過去の病気ではありません。紫外線を避ける生活様式が広まったせいか、ここ数年、報告が増えてきており、注意が必要です。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、ビタミンDの1日あたりの目安量が引き上げられ、18歳以上では男女とも8.5μgとなりました。ところが、「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、日本人の1日あたりのビタミンD摂取量は平均6.9μgで目安量に届いておらず、不足している状態です。日照時間が短い北欧諸国では、タラの肝油やビタミンDサプリメントを日常的に摂取したり、太陽が顔を出したときには積極的に日光浴をしたりします。日本でも、今後こういった習慣づけが必要かもしれません。

一方で、ビタミンDを過剰摂取すると高カルシウム血症が起こりやすくなりますので、サプリメントなどの摂取量には気をつけたいところ。日光による過剰生成の心配はありませんので、太陽の下で活動する時間をもつことが大切です。

不足するとどうなるの?

ビタミンDと免疫とのかかわり

ビタミンDの作用は、カルシウムの吸収を高めるだけではなく、心血管系、免疫系疾患との関係が多数報告されています。

また、感染症予防に重要な免疫力維持のためには、ビタミンDに加え、ビタミンAの摂取を心がけるとよさそうです。ビタミンAは、呼吸器、角膜や結膜、腸管などの粘膜ではたらく免疫システムを維持する栄養素とされており、いわば“粘膜免疫ビタミン”。レバーやウナギ、緑黄色野菜(※)、乳製品などに多く含まれており、ニンジンやカボチャをスープにして摂るのがおすすめです。

(※)緑黄色野菜には、β-カロテンなど、ビタミンAのもとになる「プロビタミンA」が含まれており、摂取すると体内で必要な分だけビタミンAがつくられます。

免疫力を維持・向上することは、感染症をはじめとした病気や、体の不調から身を守ることにつながります。ビタミンDや、ビタミンAが豊富に含まれる食品を積極的に食べ、意識して太陽光を浴びる生活を心がけ、健康に過ごしたいですね。

ビタミンDと免疫とのかかわり