肥満に影響も? 摂り過ぎに気をつけたい人工甘味料とは

 2020/07/28

食べ物の風味を増しておいしくしたり、日持ちするようにしたりと、私たちの食生活に欠かせない存在ともいえる食品添加物。大規模流通が当たり前になっている現代では、食の安全を担う重要な存在でもありますが、添加物を含む食品の過度な摂取が、肥満に影響を与える要因のひとつになっている、という説も。それが事実であれば、どのような添加物に気をつければよいのでしょうか?

食品添加物とは

食品添加物とは

そもそも、食品添加物とは何を指すかご存知でしょうか。厚生労働省の説明には、「保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるもの」とあります。食品添加物というと、保存料や着色料を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は甘味料も食品添加物に含まれます。なかでも摂り過ぎに気をつけたいのが「果糖ブドウ糖液糖」と呼ばれるものです。

砂糖

上白糖と果糖ブドウ糖液糖の違い

最もポピュラーな砂糖(上白糖)はサトウキビやテンサイといった植物が原料です。上白糖は、サトウキビの絞り汁を煮詰め、濾過して不純物を取り除いて作られます。一方、果糖ブドウ糖液糖は、トウモロコシやジャガイモなど、そのまま食べてもさほど甘くないでんぷんの糖分を、酵素の力を使ってブドウ糖から果糖へと変えて作ります。果糖ブドウ糖液糖は温度が低いほど甘味を強く感じるため、ジュースやアイスクリーム、ゼリー、ヨーグルトのほか、菓子パンにもよく用いられます。

ブドウ糖と果糖は同じ糖類ですが、実は血糖値の上がり方が異なります。ブドウ糖は、摂取直後に血糖値が上昇、その影響でインスリンによって血糖値が抑えられ、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が分泌されて満腹感を覚えます。一方の果糖は、肝臓で代謝されるというメカニズムからインスリン分泌を刺激しにくいため、いくら摂っても満腹感を得にくく、つい摂り過ぎてしまうという状態になりやすいとされています。また、果糖は脂質に代謝されるため、摂り過ぎると脂質も増え、肥満につながりやすいと考えられています。

“糖質オフ” “カロリーゼロ”にも注意

このほかに、肥満を防ぐために気をつけたい食品添加物のひとつが人工甘味料です。「アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)」「スクラロース」「アセスルファムK(カリウム)」といった人工甘味料は、甘味が白砂糖の数百倍あるものの、カロリーがほとんどないものが多く、 “糖質オフ”または “カロリーゼロ”を謳う飲料や酒類、ダイエット食品などに用いられています。

人工甘味料のカロリーは白砂糖よりずっと少ないのですが、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)には、インスリンとレプチンの分泌を促すはたらきがあることがわかっています。満腹感を覚えるのであれば問題がないように思えますが、この作用が続いた結果「抵抗性」が生じる可能性が懸念されています。「抵抗性」とは、特定のホルモンなどが、本来のはたらきを十分発揮できなくなる状態のことをいいます。

インスリンに抵抗性が生じると血糖値が下がりにくく、高血糖状態が続きます。レプチンに抵抗性が生じると、適度な満腹感が得にくく、漫然と飲んだり食べたりを繰り返すようになります。その分食べ過ぎ、飲み過ぎになるわけですから、肥満への影響も考える必要がありそうです。

原材料チェックと運動の習慣を

現在では、さまざまなダイエット食品やサプリメントだけでなく、“糖質オフ”や“カロリーゼロ”を謳う食品が豊富にそろっています。しかし、どんな食品もとり過ぎは体への悪影響を生じる可能性があります。もし肥満が気になる、健康に気をつけたいなら、ふだんよく買っている食べ物の原材料をチェックして、気になるようならそれらが含まれていないものを探してみるとよいかもしれません。

また、食べる量や摂取カロリーを極端に減らす、食材を限定するといった方法で減量すると、リバウンドしたり、体調を崩したりして、かえって健康を損ねるものです。健康的な体重を把握し、その状態に近づける、または維持したいのであれば、運動を習慣化することが不可欠です。ウォーキングやエクササイズなど、自分にとって無理なく、楽しんで続けられる運動を見つけましょう。

エクササイズ
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