第6の栄養素といわれる食物繊維とは?

 2020/10/23

お通じの改善に良いといわれる食物繊維。食物繊維は、お通じ以外にも体内で重要な役割を果たしていて、第6の栄養素ともいわれています。健康だけでなく、ダイエットや美容のために、食物繊維が豊富な野菜や食べ物を食べているという方も。私たちにとって、食物繊維はどのようなはたらきや効果をもっているのでしょうか。

第6の栄養素といわれる食物繊維とは?

生活習慣病予防にも? 食物繊維の健康効果とは

食物繊維は、「ヒトの消化酵素で消化されない、食物中の難消化性成分の総体」と定義され、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の2種類に分けられます。
通常、食べ物に含まれる炭水化物やたんぱく質などは、消化・吸収されて体内でエネルギーや体をつくる原料として利用されますが、食物繊維は水溶性・不溶性ともに消化・吸収されません。
ただ、食物繊維は健康に対して非常に重要な役割を果たしています。食物繊維の健康効果として有名なのは、整腸作用や便秘改善作用。ですが、ほかにもいろいろな効果を発揮することがわかっています。

代表的な健康効果は以下のとおり。

・整腸作用、便秘改善作用
実は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維ではたらき方が異なります。
不溶性食物繊維は、水には溶けませんが、水分を含んで膨らむことで腸を刺激します。それによって腸の動きが活発になるので、便通が良くなります。
一方、水溶性食物繊維は、ビフィズス菌などの善玉菌のエサとなって発酵・分解されます。すると、善玉菌が増え、腸に有用な物質などもつくり出されることで、腸内環境が良くなります。

・血糖値の上昇抑制作用
食べ物に含まれる栄養素は、小腸で吸収され、血流に乗って全身へ巡ります。なかでも、糖質を摂取すると、場合によっては急激に血糖値が上昇して体に負担をかけてしまいます。
食物繊維(とくに水溶性食物繊維)は、小腸での糖質の吸収スピードを緩やかにするはたらきがあり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
たとえば、水溶性食物繊維のひとつ「難消化性デキストリン」を配合した製品には、「食後の血糖値の上昇を抑える」という表記ができる特定保健用食品もあります。

・血中コレステロール値の低下作用
肝臓では、コレステロールから胆汁酸がつくられています。また、コレステロールは、腸で吸収されたあと、血流に乗って全身を巡ります。
食物繊維には、胆汁酸やコレステロールを吸着して体外へ排泄することで、吸収されるのを抑えるはたらきがあり、血中のコレステロール値を下げる効果があります。
また、糖質と同様に、脂肪の吸収スピードを緩やかにするはたらきもあるので、血中の中性脂肪の上昇を抑えてくれる効果も。

血糖値やコレステロール値の異常などは、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の原因にもなりますから、食物繊維をしっかり摂取することは、生活習慣病予防につながるかもしれませんね。

日本人は不足気味! 効果的に食物繊維を摂るには?

日本人は不足気味! 効果的に食物繊維を摂るには?

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、食物繊維の1日あたりの摂取目標量は、18歳以上の男性では21g以上(65歳以上は20g以上)、女性では18g以上(65歳以上は17g以上)とされています。現状は、男女ともに食物繊維の摂取量は目標量を下回っており、どの年代でも食物繊維不足となっています(『平成30年 国民健康・栄養調査』)。
食物繊維が不足すると、腸内環境が悪化して便秘になりやすくなったり、生活習慣病のリスクへの影響が懸念されたりするため、ぜひ改善したいものです。

日本人は不足気味! 効果的に食物繊維を摂るには?

以下のような、食物繊維を豊富に含む食材を積極的に食べるように心がけましょう。

穀物、いも
穀物、いものイラスト
麦飯やさつまいも、こんにゃくなどがおすすめ。
パンの場合は、全粒粉パンであれば、低糖質で食物繊維が豊富です。

豆のイラスト
インゲン豆や大豆などがおすすめ。
食物繊維豊富なおからをレシピに活用するといいですね。
野菜、果物
野菜、果物のイラスト
食物繊維といえば野菜ですが、ゴボウや大根のような根菜類に多く含まれています。とくに、切り干し大根などをレシピに活用するのがおすすめです。
また、モロヘイヤのようなネバネバ野菜も積極的に食べるようにしましょう。
プルーンやイチジクなどの果物にも豊富に含まれていますが、糖質も多いので食べ過ぎには注意が必要です。
海藻、きのこ
海藻、きのこのイラスト
低カロリーなのに食物繊維たっぷりな食材。
ひじきと干し椎茸がとくにおすすめです。

最近では、大麦若葉やケールなどの青汁や、スピルリナやユーグレナなどのスーパーフードを使ったサプリメントといった、食物繊維豊富な健康食品も数多く発売されています。食事だけでは不足してしまいがちな場合は、こういったアイテムもぜひ活用してみてください。