腸を鍛える乳酸菌とは?

 2020/10/13

腸は、栄養素を吸収するだけでなく、アレルギーなどの免疫に関係したり、ストレスなどの精神的な影響を受けやすかったりする重要な器官。最近では、「腸活」というワードを耳にすることもありますよね。そんな腸には、約1000種類、100兆個もの腸内細菌が棲んでいることが知られています。なかでも、腸の健康維持に欠かせないのが「乳酸菌」。乳酸菌とは、いったいどんな菌で、どんなはたらきをしているのでしょうか。

腸内環境は善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスがポイント

腸内環境は善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスがポイント

まず、腸と腸内細菌の関係について見ていきましょう。ヒトの腸に棲んでいる腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の大きく3種類に分けられます。

善玉菌は、その名のとおり、体にとってプラスにはたらく菌のこと。乳酸菌やビフィズス菌などが善玉菌の代表です。腸の運動を助けたり、悪玉菌が増えにくい環境をつくってくれたりするはたらきがあります。

一方、悪玉菌は、体にとってマイナスにはたらく菌のこと。大腸菌やウェルシュ菌などが悪玉菌の代表です。たんぱく質を腐敗させて毒素を出して、腸の環境を悪化させます。

そして、善玉菌にも悪玉菌にも属さない菌のことを日和見菌といいます。日和見菌は、善玉菌が優勢なら善玉菌を応援し、悪玉菌が優勢なら悪玉菌の応援をします。

腸内環境は善玉菌と悪玉菌のせめぎ合いによって左右され、「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」の割合が、理想的な腸内環境といわれています。このバランスは、食生活やストレスなどの日常生活の変化によって変動するほか、加齢にも影響されます。バランスが崩れて善玉菌が減ったり悪玉菌が増えたりすると、便秘や下痢、肌荒れやアレルギーといった症状を引き起こすこともあります。

そんな腸内環境を理想の状態に保つために重要なのが、乳酸菌です。

免疫アップにも? 乳酸菌は腸内のバランス調整役

免疫アップにも? 乳酸菌は腸内のバランス調整役

誰しも聞いたことのある腸内細菌のひとつ、乳酸菌。

乳酸菌は、糖から乳酸をつくる微生物の総称で、いろいろな種類がいます。発酵食品をつくるときにも使われており、ヨーグルトや乳酸飲料以外に、キムチや味噌、鮒寿司などにも乳酸菌が含まれています。

「お通じを良くするには乳酸菌を摂るといい」なんてことをよく聞きますが、腸内環境が整えば腸のはたらきが良くなるので、お通じが改善されるというわけです。

ちなみに、「生きて腸まで届く」というような謳い文句を聞いたことがある方も多いはず。その代表的な乳酸菌が、「有胞子性乳酸菌」です。
有胞子性乳酸菌とは、「胞子」と呼ばれる殻に入った状態になることができる乳酸菌のことです。この殻は酸や熱に強いという特徴をもっているため、有胞子性乳酸菌は、加熱されても、胃酸にさらされても生き抜いて、生きたまま腸へ届いてから繁殖するという性質があります。
生きたまま腸に届くと、悪玉菌の増殖を抑えたり、善玉菌が棲みやすい腸内環境にしてくれたりするので、有胞子性乳酸菌を配合した健康食品などが多く販売されています。

また、有胞子性乳酸菌と同じくらい、健康食品に配合される乳酸菌のひとつがフェカリス菌。
フェカリス菌は、人間の体内にもともと棲んでいる乳酸菌の一種で、腸内環境の改善だけでなく、免疫にも良いはたらきをするといわれています。
加熱して死菌としたものを配合していることが多いですが、死んでいたとしてもそのほかの善玉菌のエサになってその増殖に一役買うので、結果的に腸内環境の改善に貢献します。

なお、余談ですが、最近の研究で、乳酸菌はコレステロールを下げたり、がんを予防したりするといったはたらきも報告されているそうです。今後の研究に期待です。

免疫アップにも? 乳酸菌は腸内のバランス調整役

ビフィズス菌と乳酸菌は何が違う?

乳酸菌と同じくらい有名なのがビフィズス菌ですよね。

ビフィズス菌は乳酸菌の一種(最近では、異なる種類という見方もあるようです)です。特徴としては、糖から乳酸をつくるだけでなく、酢酸もつくることが知られています。酢酸は、悪玉菌の増殖を防ぐ力が強い成分。

つまり、ビフィズス菌を積極的に摂ると、腸内環境がより良くなるというわけです。

また、ビフィズス菌は生まれて間もない頃から腸内に存在していますが、年齢とともに減少していきます。そのため、ビフィズス菌入りの食べ物を継続して摂取したり、腸内のビフィズス菌を増やしたりするのがポイント。

ビフィズス菌を増やすには、エサとなるオリゴ糖や食物繊維を摂るのが重要です。オリゴ糖は、大豆やタマネギ、バナナなどに豊富に含まれているので、ビフィズス菌入りヨーグルトなどとあわせて食生活に取り入れたいですね。

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