【蒲池桂子先生の医食同源 3】お酒を楽しく飲むコツは?

 2020/07/01

新型コロナの令和2年4月7日緊急事態宣言は明けましたが、外出しなくてもリモート飲み会などでお酒を飲む機会も増えてきているようです。楽しいおしゃべりをしながら、自宅で飲むと、つい飲み過ぎてしまうことも。今回は蓮池先生にお酒との心地よい付き合い方をお聞きしました。

お酒と上手に付き合う方法ってありますか?

昔から「少量」のお酒は、血行を良くするといわれています。貧血気味のときや低血圧でふらつくときなどは、赤ワインがよいとされています。たとえば、血行の悪いときや体が冷える夜などに、赤ワインにスパイスや生の果物と、好みでハチミツを入れて煮込んだものを、飲むと体がほかほかとして寝付きも良くなります。よく沸騰させれば、アルコールが蒸発するのでお酒が苦手な方にもおすすめです。試してみてはいかがでしょうか。

肝臓が一日で無理なく処理できるアルコール量は?

肝臓が無理なく処理できるアルコール量とされ、厚生労働省「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで20g程度といわれています。日本酒では一合、ビールだと500cc缶、ウイスキーや焼酎だと50cc程度。この量であれば、肝臓で処理するのに3時間程度必要です。

肝臓が処理できる量より多くのアルコールを摂取してしまった場合に、翌朝までアルコールが抜けない、いわゆる二日酔いの状態になることがあります。1日平均23g未満(2日で日本酒1合未満)が適量の飲酒量で、日本人の男女とも死亡率が最も低いという調査結果も報告されています。さきほどの「節度ある適度な飲酒量」すなわち「純アルコールで1日平均20g程度」は、主にこの飲酒量と総死亡との関係をもとに決められました。

お酒で太るかどうかは体質によって違うのでしょうか?

お酒そのもので太るかどうかは、体質により違ってきます。アルコールそのもののエネルギーは、1gあたり5kcalとされています。しかし、肝臓にアルコールを代謝する酵素のない、いわゆる「下戸」の人にとっては、アルコールが毒と認識され、顔が赤くなったり、突然体が暑くなったり、汗をかき出したりするなど余分なエネルギーとして外に発散されてしまいます。一方、顔色ひとつ変えず、淡々と飲めるタイプは、代謝酵素を十分に持っているためエネルギーを使うことなく肝臓に貯め込んでしまうと考えられます。

ビールは食欲が増し、食べ過ぎてしまうから太る?

ビールを飲むと太るという人は、ビールによって食欲が増すだけでなく、消化を助けるので、つい食べ過ぎてしまうのかもしれません。もちろん、酒の種類の中でもビールは糖質が多いので、飲み過ぎればジュースなどの清涼飲料水と同じように、カロリーオーバーにつながります。

お酒の席ではどんな料理を選ぶ?

ビールにはビタミンB1も含まれ、疲れているときに適度に飲むのはおすすめです。また日本酒はアルコール度数が高く、ほどよく血行を良くして気持ちよくなります。お酒の席では、アルコール量だけでなく、ワインにはお肉、日本酒には刺身というように、料理がおいしくなるようなお酒選びで、決してお酒が主にならないことがポイントですよ。

ウェイター

蒲池 桂子先生 プロフィール

女子栄養大学 栄養クリニック教授
管理栄養士、栄養学博士、日本病態栄養専門士
女子栄養大学栄養学部栄養学科栄養科学専攻卒業。
東京慈恵医科大学内科学講座勤務を経て2000年博士号(栄養学)取得。
2003年4月女子栄養大学栄養クリニック主任に就任。

栄養クリニック営業管理、生活習慣病栄養相談、企業向け栄養コンサルティングを行っている。
(連絡03-3918-6181)

【著書】
糖尿病性腎症の病態に基づいた栄養管理・指導のコツ
編集, 宇都宮一典(担当:共著)
診断と治療社 2012年10月
メタボリックシンドロームディクショナリー
大野誠, 津下一代(担当:共著)
診断と治療社 2009年7月
糖尿病性腎症の安心レシピ103
宇都宮一典(担当:共著)
弘文堂 2006年10月
栄養を知る事典
工藤英機(担当:共著)
日本文芸社 2006年10月
絶対酒飲み主義
新星出版 2002年10月

蒲池 桂子先生